宮浦健人選手に聞くポーランドリーグと初の海外生活②
せっかくのスタメンだったのに絶不調…… 高さに負けない精度の高いプレーヤーになりたい!
――まずはジェイテクトの天皇杯優勝おめでとういございます。試合はネット等でご覧になっていましたか?
はい、You tubeで見ていました。準決勝のJT戦は2セット先取され、大事な場面で「チャレンジ」があったりして、途中までヒヤヒヤしましたね。でも、決勝戦は危なげなかったですし、全体的に見てチームとしての力強さを感じた大会だったと思います。
――今回の天皇杯を見ていても、やはりバレーというのは「流れ」が勝敗を左右するんだなぁと実感したのですが、ポーランドリーグでも、そう感じることは多いですか?
そうですね。前期を振り返ってみても、やはり勝った試合は最初から勢いがあったというか、いいムードで入って行けたケースが多かったですね。チームにもよりますが、Vリーグでは多少ムードが悪くなっても、助人の外国人選手のパワーで挽回するっていうこともありますが、こっちではそれは少ないように思います。エース頼みっていうのではなく、チームとしてうまくまとまっていないと、なかなか勝てない。そういう意味では、こっちの方が勢いは重要かもしれませんね。
――現在のチームの順位は?
ポーランドリーグは現在(12月19日)の13週(ラウンド16)が終わったところなのですが、現時点でウチのチームの順位は6位となっています。上位の4チームはちょっと飛び抜けていますが、5位から11位くらいまではポイント的に詰まっていて、混戦となっています。1試合の勝ち負けで順位が目まぐるしく変わるという状況です。
――試合での手応えというか、今の自分のプレーについてはどう感じていますか?
前々回の試合はスタメンで出させてもらったんですが、そのときの自分の調子がポーランドへ来てから一番というぐらい悪かったんですよ。スパイクがことごとく相手のブロックに捕まってしまって……。高いブロックに対してのスパイクの通過点というか、コース取りの精度がまだまだ低いんだなと反省しました。リーグには慣れてはきましたけど、スパイクにしろサーブにしろ、高さがない分だけコースの正確性を上げていかないと対抗できない。とにかく1球1球の精度を上げることが必要だと感じています。
――イタリアリーグを経験してきた西田選手のプレーを見ていて、以前よりクレバーになっているというか、プレーの引き出しが増えたように思うのですが、宮浦選手もポーランドリーグでプレーして、何か気づいたことがありますか?
そうですねぇ、やはり高さに対応する必要もあって、こっちに来てからはスパイクをストレートに打つことを意識した練習を多くしています。日本ではハイボールをクロスに打つことが多かったんですが、ミドルに高さがあるので、クロスへ長いボールを打つと捕まってしまうことが多い。ストレートの精度を上げることの重要性を感じています。
また、リバウンドなど、ネット際の処理も大切だと実感しているので、その点についても練習で時間をかけてやるようにしています。最近ではネット際に上がったボールを、左手で打つと見せかけて右手でプッシュするといったプレーも決まるようになってきたので、少し攻撃の幅が増えてきたかなとは思っています。
――試合や会場の雰囲気などで、日本と違うなと感じた点はありますか?
こっちでは試合に勝っても負けても、試合後にチームを応援してくれるファンと一緒に、歌を唄ったりする時間が設けられているんです。イタリアリーグでも同じしいですけど、太鼓など楽器を使ったりして、とにかく応援が華やかです。日本でもファンの応援はありますけど、こっちではより選手とファンの一体感が凄いと感じました。
日本のファンとは大きな違いがあることがこの写真からもよくわかります!
――ポーランドの冬は日本と比べて寒いですか?
メッチャ寒いですね。特にここ1ヵ月で急速に寒くなって、昨日の最低気温はマイナス16度まで行きました。でも、家自体が防寒用に作られているので、屋内に居る限り寒さは感じませんけどね。日本で言えば北海道の家屋みたいな感じ。部屋の中では半袖で過ごせますし。お送りした写真は家の近くにある湖なんですけど、全面凍っていて普通に歩けるような状態になっています。
日本の皆さんにもこの寒さ伝わりますよね? 本当に寒いです!!
――先日のお話では、車が届いたとおっしゃっていましたが、この状況の中で走れるんですか?
それが、チームのマネージャーが冬用のタイヤを手配していなかったらしく、タイヤがノーマルのままなので、今は運転できずに、近くにいるチームメイトに乗せてもらっている状況です。
――最近、どこか観光に行きましたか?
11月に写真にあるヴロツワフという街に、エージェントの人と一緒に観光に行ってきました。住んでいるところから近く、比較的栄えている街ということで行ってみたんですが、とてもきれいな場所でしたね。また、歩いて行ける距離にミサという小さな街があって、もう1枚の写真に写っているのが、ミサのシンボルともなっているその教会です。寒いせいで空気が澄んでいるのか、天気がいいとどこへ行っても景色がきれいで、思わず写真を撮りたくなっちゃうんですよね(笑)。
――ポーランド生活にも慣れてきた様子なので、安心しました。風邪など引かかないように注意して頑張ってくださいね。
ありがとうございます。
「ヴロツワフ」は空も建物も美しい!! ヴロツワフという名前が難しいからと言ってメールで教えてくれた宮浦選手はとても優しい!
近所の教会。本当に街並みがきれいでしょ?
●プロフィール●
宮浦健人
熊本県出身
1999年2月22日生まれ
身長190cm
体重86kg
血液型 A型
左利き
次回は2023年1月15日ごろアップする予定です。
※最新情報はTwitterやInstagramにてご報告します。お楽しみに!
取材・文:VOLLEYBALL HEROES編集部
協力:PWSZ ニサ
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