宮浦健人選手に聞くポーランドリーグと初の海外生活 [最終回]

宮浦健人選手に聞くポーランドリーグと初の海外生活 [最終回]

世界を肌で感じることができた貴重な体験
チャンスがあれば、もう一度ポーランドで戦ってみたい!!

――お帰りなさい! お疲れ様でした。

 ただいま帰りました!  長旅でしたが、無事帰国することができました。今回は飛行機の中ではあまり眠れず、映画を2本も見てしまいました。久しぶりの帰国で、うれしくて眠れなかったのかもしれません(笑)。

――久しぶりに日本に戻った感想は?

 とても暖かいですね。ポーランドはこの時期寒暖差がかなり激しくて、1ヵ月くらい前には風邪をひいてしまいました。向こうでは寒暖の差に体調を合わせるのが本当に大変でした。昨日ポーランドを出発する際も、とても寒かったです。

――ポーランドで一番楽しかったことは何ですか?

 チームメイトとの交流が一番ですね。そして新しい文化に触れられたことも。ひとりでドイツやポーランドのいろいろなところにも出かけましたし、チームメイトと旅行にも行きました。本当にポーランドに行って良かったと実感しています。

――逆に一番大変だったことは?

 試合に出られなかったことですね。ある程度覚悟はしていたつもりでしたが、試合に出られないのがこれほど辛いとは……。コートに立つためには何をすべきか、どこが足りないのかを改めて考えさせられました。辛かったですけど、今後のためにはいい経験だったと思っています。

――ポーランドで学んだことは何でしょう?

 一言でいうのは難しいのですが、一番は選手のプロ意識の違いですね。向こうの選手は全員が自分をより高めるために何をすべきかを自覚し、それを実践している。その年のプレーいかんで翌年の待遇やチームまで変わるので、すごくシビアなんです。その現実を身をもって感じることができました。日本では味わったことがない感覚でしたね。
 ポーランドでバレーボールは国民的人気プロスポーツなので、リーグで何か問題があったり、発言したいことがある選手は、記者会見などで問題点を提議したりする。周りに忖度することなく、自分の意見ははっきり表明するんです。この辺もプロ意識の高さからきていると思いますね。

――ラストゲームは宮浦選手の活躍もあってニサが勝利したそうですが、どんな試合展開だったのですか?

 最終戦はスタメンで出場することができて、大切な場面でサービスエースも決めることができました。ただ、これまでスタメン出場の機会が少なかったので、自分の試合感覚というものに自信がもてず、試合開始前はだいぶ緊張しましたね。
 それでも試合がはじまると、サポーターもベンチにいた選手も大きな声で応援してくれて、自分のプレーを後押ししてくれました。本当にいい仲間に出会えたと思っています。あと1、2点取っていればこの試合のMVPになれる可能性もあったので残念ではありましたけど、それ以上にチームメイトの応援がうれしかったです。
 海外チームの場合は、翌年も同じメンバーで戦うことはほぼ不可能ですが、自分が海外もしくは代表でプレーをしていれば、きっとまたどこかで彼らに会えると思っています。そのためにはもっともっと自分を高かめていかないといけない……。今以上の実力をつけて、もう一度ポーランドで戦ってみたいと思っています。

――試合前のルーティーンはありますか?

 靴を右から履くとか、縁起を担ぐようなことは一切しません。ただ試合の前には炭水化物を多く食べることにしています。あとは練習と同じように、いつもどおりの行動を心がけています。試合だから特別何かをするということはありませんね。

ポーランドからの引っ越し荷物は全部でこれだけ!!

ポーランドからの引っ越し荷物は全部でこれだけ!!

――日本代表選手に選出されているので、数ヵ月後のネーションズリーグでヨーロッパへ行く可能性がありますが、向こうで何かやってみたいことはありますか?

 そうですねぇ、ネーションズリーグでヨーロッパに行くためには、まず12人に残らなければいけません。もし、残れたとしたらいろんなレストランで食事がしたいです。僕はポーランド料理もとても美味しくいただけたので、他の国の料理も機会があればどんどんチャレンジしたいと思っています。ポーランドでひとりで行動することに慣れたので、時間が許せば、気軽にどこへでも出かけようと思っています。

――日本代表選手としての今年の目標を教えてください。

 自分のできるパフォーマンスをしっかり出していきたい。自分自身にフォーカスし、自分の実力をいつでも出せる状態にしておきたいと思っています。ポーランドで学んだことを最大限生かしていくつもりです。

――ポーランドで最初に恋しくなった日本食は何ですか?

 やっぱりお寿司ですね。ポーランドでも何回かお寿司を食べましたが、太巻きの周りに衣がついていてがフライになっていたりするので「Osushi」という名の違う食べ物でした(笑)。ネタで一番好きなのはサーモンなんですけど、ポーランドもサーモンは美味しかったです。ちゃんとしたお寿司ではないんですけどね。

とりあえず和食が食べたいという宮浦選手のリクエストに応え、空港内のお寿司屋さんへ。最初に箸を伸ばしたのは中トロ。口に入れた途端思わず「うまっ!」の一言が

とりあえず和食が食べたいという宮浦選手のリクエストに応え、空港内のお寿司屋さんへ。最初に箸を伸ばしたのは中トロ。口に入れた途端思わず「うまっ!」の一言が

――少しお休みがあると思いますが、何処かへ行く予定はありますか?

 今はゆっくりしたいだけなので、何の予定も入れていません。ただ、サウナが大好きなので、きっと何回も行くと思います(笑)。今日はこれから実家へ戻ります。兄も連休で戻って来るので、久しぶりに家族全員がそろう。楽しみですね。

――約半年間の連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。

HEROES EYE
 午前中到着の飛行機で羽田空港に降り立った宮浦選手。長旅で疲れているにもかかわらず、快く取材に応じてくれた。ご両親は「何もいらない」と言っていたそうだが、ポーランドのお菓子をお土産として購入したそう。
 ポーランドで学んだプロ意識をどのように実践し、成長していくのか。今後の活躍が楽しみになった。ワールドカップを控え、代表のOPとして日本チームを牽引してくれることを願わずにはいられない。
 ちなみに実際近くで見ると、宮浦選手は顔がすごく小さい。撮影した過去の試合写真を見返してみたが、写真と実際のイメージがかなり違った。意外とモデル体型! 今まで気がつかずにゴメンナサイ。みなさんもチェックしてみて!

※この企画に協力していただいたすべての方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

●プロフィール●
宮浦健人
熊本県出身
1999年2月22日生まれ 
身長190cm
体重86kg
血液型 A型
左利き

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取材・文:HEROES編集部
協力:PWSZ ニサ
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