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インターハイ・国体・春高の3冠達成を目指す京都・東山高校 「完全優勝」へ向け、最後の実践練習に臨む

 9月最後の3連休。関東地方も台風に見舞われるアクシデントの中、普段から親交が深い強豪7校が一堂に会し、神奈川県内で合同練習を行った。
 参加チームは東山高校、駿台学園、東北高校、東洋高校、慶應高校、静清高校、弥栄高校の全7校。
 中でも8月のインターハイで初優勝を果たした東山高校にとっては、2冠目となる国体開催まで残りわずかな貴重な実戦練習となった。
 本誌は雨の中体育館へお邪魔し、松永理生監督と主要選手3名に直撃インタビューを敢行。3冠達成へ向けての意気込みを伺ってきた。

東山高等学校 松永理生監督

東山高等学校 松永理生監督

――今年のインターハイでは1セットも落とさず初優勝を飾りましたが、チームとしてかなりでき上がっているという手応えはあったのでしょうか?
 正直、手応えというのはなかったんですよ。近畿大会の決勝で負けたんですけど、そこで感じたのはフィニッシュの部分というか、決定打がなかなか決まらないということ。最後はなんとか総合力で勝てたというのが実感ですね。

――でも、本戦では1セットも落とさずに完全優勝じゃないですか?
 まあ、それも結果ですね。僕もそうですが選手たちも1セットを取られるとその先どうなるかわからないという不安みたいなものがあったので、とにかく目の前のセットに集中して戦った結果だと思っています。今年はミドルに麻野堅斗がおり、花村知哉と尾藤大輝の3人で時間差を含めたいろいろな攻撃ができるようになってきている。昨年ほど高速ライトという面はないですけど、いろいろなテンポを使い分けて仕かけられるチームになっているとは思います。

――インターハイで山場になったと思う試合は?
 土浦日大戦ですかね。1セット目で最初はウチがリードしていたんですけど、僕の選択ミスもあってリズムを崩してしまい、逆転された場面があったんです。その後何とか立て直してセットを取ったんですけど、あそこでズルズルっとセットを奪われていたらどうなっていたかわからない。そういった意味では近畿大会での負けが薬になったのかもしれませんね。
 あと、やはり松本国際高校さんとの試合もポイントでした。練習試合もよくやらせてもらっているんですが、ディグがしっかりと上がって、そこからハイスピードで展開してきますし、本番の力が高いチームなのはわかっていたのでね。藍(髙橋 藍選手)がいた時代のインターハイで負けている相手でもありますから。ただ、今年は柳田歩輝みたいな大エースと言われるような選手がいなかったので、スピードへの対応ができたのが勝因だったと思います。

――今後、国体、春高と大会が続きますが、3冠達成に向けて考えていること、また、期待している選手はいますか?
 確かにそれを狙えるのはうちだけですから、できれば達成したいと選手たちも思っているようです。期待しているというか、それまでに何とか伸びてほしいと思っているのは勝山翔太ですね。身長は177cmしかないんですけど、サーブレシーブが非常に良くてチームをしっかりと支えてくれている選手なんですよ。サイドとしてスパイクの部分でもう一つ成長してくれたら、春高に向けて違った戦い方ができるのではないかと期待しているんです。もちろん、フィニッシュを決めてもらうためには、麻野と尾藤の2人にもっと成長してもらいたいというのは当然ですけどね。

――麻野選手は代表入りした前と後で何か変わった点はありましたか?
 そうですねぇ、変わった点といえば積極性が出てきたことですかね。周りのレベルも高い中でのプレーを経験してきたので、練習の取り組み方もそうですが、プレーに関しても責任感というか、自分が何をしなければいけないかを自発的に考えるようになってきたと感じています。
麻野の場合、207cmという高身長を生かしたブロックには定評がありますが、それと同時に機動力があるのが彼の利点。190cm台の選手と動きに関しては遜色ないですから。単に高いというだけではなく、クイックなど攻撃面でも彼の存在感は日に日に増してきているように思います。

――3冠が達成できるよう頑張ってください!
 ありがとうございます。頑張ります!

背番号1 キャプテン・池田幸紀(リベロ)

背番号1 キャプテン・池田幸紀(リベロ)

――キャプテンはやはり大変ですか?
 キャプテンになったときから覚悟はしていたんですが、中学ではキャプテンを任されたことがなく、チームをまとめるという経験がなかったんです。正直、キャプテンになった当初は声を出すことすらできなかった(笑)。
試合中、みんなの気持ちがバラバラになっているなと感じることがあるんですが、そういうときにチームをどうまとめていくか……本当に難しい役目だと実感しています。

――インターハイ初優勝はどんな気持ちだった?
 そうですね、ホッとしたというのが正直な気持ちです。前評判では優勝候補と言われているのは知っていましたが、インターハイ前の近畿大会では、決勝戦で大阪・昇陽にストレートで負けてしまったので……。インターハイまでは不安な気持ちしかなかったんです。でも、昇陽に負けてからインターハイまでの約2週間はできる限りの練習をしました。短い時間でしたがここまで練習をしたということが全員の心の支えになって戦い抜くことができたと思っています。ここまでやったんだから、後は後悔がないように戦うだけと思えるようになっていました。
勝ったときにはキャプテンとして本当にホッとしましたし、評判どおりの結果を出せて良かったとも思いました。もちろんチームメイトにも感謝しています。

――ライバルはいますか?
 自分のやることをしっかりやるというのを常に意識しているので、ライバルっていうのをあまり意識したことはないのです。ただ、開智高校の長田哲太選手はうまいなーと思っている。同じポジションなので、参考にすることもあります。よく喋ったりもしますしね。

――将来どんな選手になりたい?
 あまり言ったことはないんですが、本格的にバレーをするのは高校までで、大学へ行ったら勉強を一生懸命したいと考えているんです。

――強豪校にいるのになぜ?
 生涯バレーを続けていけるほどの実力が自分には備わっていないとわかっているのと、やっぱりバレーだけで一生ごはんを食べていくのは大変なことだと感じているからです。自分の人生の夢というか目標は「お金持ちになって、できないことをなくすこと」なんです(笑)。自分のやりたいことはもちろん、人にもチャンスを与えられるような人間になりたいと思っている。そのためには大学では勉強を頑張らないと達成できないと考えているんです。

――松永監督はどんな監督?
 松永監督はメリハリがあって選手にしっかり向き合ってくださいます。メンタルで欠けている部分があればプレッシャーをかけられることもありまが、試合中は気持ちがひとつになっていると感じさせてくれる。すごい監督だと思っています。

――前監督の豊田監督と松永監督どっちが怖い?
 どちらも怖いということはないです。二人ともバレーのことをすごく真剣に考えた上で、的確なアドバイスをくださいます。自分は中学のときクラブチームに入っていたんですが、当時は今より無茶苦茶怒られていました。それに比べれば、怖いと思うことはありません(笑)。

――今のチームの目標は?
 国体と春高優勝です。

――好きな食べ物と苦手な食べ物は?
 苦手な食べ物はピーマンと納豆です。好きな食べ物は苺!

――時間があったら何をしたい?
 英語の勉強がしたいです。喋れるようになりたいので。

――頑張って勉強してください! ありがとうございました。

背番号2 麻野堅斗選手(ミドル)

背番号2 麻野堅斗選手(ミドル)

――インターハイで初優勝したときは、どんな気持ちだった?
 今年、自分たちが目標としてきた3冠のうちの、まず1つ目を獲ることができたので、うれしいという気持ちと、ホッとした気持ちの半々でした。

――優勝できた要因は何だと考えていますか?
 個人の能力だけでなく、チームとして自分たちのバレーができたことが一番の要因だと思います。

――一番戦いづらかったチームは?
 土浦日大さんですかね。高さがあるチームなので、自分たちがあまり得意としていない真ん中のオープントスや、高さのあるブロックにやりにくさを感じました。

――でも1セットも失わずに優勝できたのはすごいですよね?
 すごいです! 自分たちのことながらですが(笑)。

――ライバルはいますか?
 ライバルというより憧れの選手はいます。髙橋健太郎選手です。今年、自分も初めて代表チームに参加して直接プレーを見させていただいたんですけど。スピードとパワーが動画で見ていたよりずっとすごかったです。

――今年初めて代表チームを経験して一番大きな収穫は何ですか?
 やっぱり意識の高さを肌で感じられてことです。練習前のストレッチであったり、練習後のマネージメントなどを通じて意識が変わりました。参加する前の自分ができていなかったことがはっきり見えた感じですかね。すごく勉強になりました。

――代表チームで仲良くなった選手は?
 一番は、村上 豪選手です。

――今、プレーでの悩みはありますか?
 ブロックへ入るまでのスピードと手の出し方ですかね。あと、最近スパイクの調子がなかなか上がってこないので、そのあたりも課題だと感じています。

――得意だと感じているプレーは?
 高さがありながら、機動力も兼ね備えているという部分ですかね。

――将来どんな選手になりたい?
 自分は今、ミドルオポというポジションなんですけど、高いトスも打てるし、ライトからも打てる選手になれれば、将来代表チームでも活躍できるんじゃないかと思っています。

――子どものときから背が高かった?
 そうです。ずっと背が高かったです!

――背が高くて困ったことは?
 全部が低いこと(笑)。洋服はお店には合うサイズがほとんどないので、もっぱらネット通販専門。ネットには外人サイズもあるので。

――苦手な食べ物と好きな食べ物は?
 苦手な食べ物は海鮮全般。好きな食べ物は餃子と梨です。梨は特に「幸水」が好き。

――今、時間があったら今に何をしたい?
 もし3日休みがあったら、まず1日目はゴロゴロして、2日前はどっか遠出をして、3日目はゆっくりするというのが理想ですかね。

――3冠を達成できたら、きっとゆっくりできますね! ありがとうございました。

背番号6 當麻理人選手(セッター)

――インターハイで初優勝したときは、どんな気持ちだった?
 近畿大会で負けてから練習を詰めてやってきたので、その成果をしっかり出せたという達成感と、今年の目標である3冠のうちのまだ1冠目なので、まだまだ安心できないぞ! という気持ちが入り混じっていましたね。

――負けて不安にならなかった?
 インターハイ前に負けたことで、自分たちの課題が明確になり、逆にそこさえしっかりやれば勝てるという確信がもてたことが大きいと思います。ここでは負けたけれども、自分たちに力がないわけではないということも自覚できたので、むしろ良かったのかもしれません。

――優勝できた最大の要因は何だと考えていますか?
 インターハイ前の2週間の練習成果が1番大きい。全員そう思っていると思います。

――一番戦いづらかったチームはどこ?
 インターハイで戦ったチームは、どのチームも本当に素晴らしいチームでした。中でも強いと感じたのは東福岡高校。1セット目から強さというか、チームとしての迫力みたいなものを肌で感じました。彼らは自分たちのやるべきことをしっかりわかっていて、攻撃面での強い武器をもっている。いつ戦っても強いなぁと感じるチームですね。

――目標というか、すごいと感じている選手は?
 ずっと思っているのは、ブラジルのセッターでブルーノ・レゼンデ選手。

――今、自分のトスワークで課題は何ですか?
 競っているときや、詰まったときなどに、どうしてもトスが偏ってしまうという部分。そうなると相手チームに研究されやすいので、何とかそこを克服したいというのが課題です。

――得意だと思っているトスワークは?
 麻野への縦の Cや、縦のDには自信があります。

――将来どんな選手になりたい?
 高校でしっかりと3冠を達成することが当面の目標ですが、そこから先は日本代表に選出されて活躍できる選手になりたいと思っています。

――前監督と現監督のどちらが怖いですか?
 理生さんも豊田先生もどっちも怖い。怖い部分が違うだけです(笑)。

――苦手な食べ物と好きな食べ物は?
 苦手な食べ物は目玉焼き。子どものころからあの味が好きになれないんですよね。好きな食べ物は最近わからなくなってきているんですよね……。あっ! やっぱり一番はラーメンです。「魂心家」という家系のラーメンが好きです。

――時間があったら今に何をしたい?
 家でゴロゴロかなぁ……。ひとりで遠出もしたいですけど。

――次回は京都の美味しいラーメン屋さんを教えてください!  ありがとうございました。

取材・文◎山路洋子

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